感傷的で激情的、また悲劇的で楽天的なバングラデシュ。西パキスタンから分離独立した旧東パキスタンのことです。国土は日本の北海道と九州を合わせたほどの小さな国で、人口は日本よりも多い一億三千万人が暮らしています。雨季ともなるといたる処水没してしまい、例えて言えば九州ほどの広さに全員が住んでいるといった感じになるのです。そこには85%のイスラム教徒と15%のヒンズー教徒の他に、ごくごく僅かの仏教徒がいて、貧しく学校にも行けない子供たちが溢れんばかりに生活しています。
このような国バングラデシュの南東部にある、チタゴン市の東20kmほどのところに「マハムニ 母子寮」はあります。百人以上の子供たちが今日も必死に暮らしています。その子供たちは、目を輝かせて机や黒板や教科書を待っています。
日本が今日あるのは「教育」のお陰です。この「教育」こそを子供たちは待っているのです。それが社会に出て行く唯一の手段なのですから。せめて義務教育を、勉強する環境を与えることが急務です。このような恵まれない子供たちに、どうぞ温かい手を差し伸べて下さい。
1971年、バングラデシュ独立の際、大量の難民が出ました。その救済に乗り出したのが、2002年4月に亡くなった「マハトマ・ガンジー非暴力平和賞」受賞者、渡辺天城師です。1976年チタゴン県マハムニ村に、泥造りトタン葺きに始まる施設を作り、創立当初は未亡人も受け入れていたので「マハムニ母子寮」と名付けました。
以来、親のない小学1年から10年までの子供たちに衣・食・住の一切と学校教育の機会を与え続けています。そして、その母子寮に、20年以上にわたって支援・協力してこられたのが臨済宗、禅僧・福井宗芳師です。南方仏教僧として再得度をされた後、渡辺天城師に後事を任せられ、「マハムニ母子寮」継続活動のため、その全てを擲っておりましたが、2007年10月に急死されました。その後は、マハムニ母子寮出身のノツー君が中心に運営を担っております。また、チッタゴンに進出している、日本企業の有志によってフォローしております。
この活動は、「報恩」と「慈悲」の精神に立つものです。そのために何よりもまず、恵まれない子供たち、将来を担う子供たちへの援助を実現させていかなければなりません。
一人でも多くの人に、この「マハムニ母子寮」について知っていただき、理解を深めていただきたいと思っております。何卒、マハムニ母子寮継続のために御厚志の捻出をお願い申しあげると共に、いつの日か、このイスラム教徒の国バングラデシュ南東にある、小さな仏教徒村マハムニ、その菩提樹の木の下の大きな仏様(マハ・ムニ=大仏)をお訪ね下さい。
貧しいながらも、必ずやそこに現在の日本人が忘れ去ってしまった、なにものかを発見するに違いありません。私は、3年前に、このマハムニの子供達と、ミャンマー国境の町、コックスバザールに1泊2日の旅をいたしました、それは、それは、得がたい体験でした、それ以来ここの子供たちにささやかながら、援助をし、フォローをしております。
郵便振込口座番号
マハムニ母子寮関西連絡所
00990-8-259339
代表:後 藤 一 ( 明覚寺・住職 )